中西又三様
これは、私に対してもう二度と＜脅迫状＞を送ってこないようにあなたに厳命する手紙です。
あなたは、存在しない組織名を捏造し、その架空の組織の「委員長」として６月１４日付けの「見解」をまたもや速達で送りつけてきました。
「見解」と称しながら、中身は相も変わらず空疎で一方的な断罪と脅しの文言で充溢しています。
存在しない組織名を使って脅し、相手がする義務のないことをするように心理的に圧迫をかける。これは、某専門家筋に寄りますと、典型的な「詐欺」のやり方であり、「架空請求」ならぬ「架空要求」ということになるようです。
これほど劣悪な工作までして、あなたが一体何をするよう私に暗に「要求」しているのかは概ね察しがつきます。どうしても、どんな手段を使ってでも、私をまた一人であの「拷問部屋」に呼び出して、今度はどんな方法を取るつもりでいるのかは知りませんが、今度こそ失敗のない自主退職への同意を私から引き出したいと思っているのですよね。
ご希望に添えなくて申し訳ないのですが、私があの「拷問部屋」に行かなくてはならない義務はまったくありませんので、いつであろうと行く意志は皆無であることをお伝えしておきます。
「５月３１日から２０日以内」云々の規程のなかの文言も、通用するとすればそれは４月１１日の「極秘裁判」がガイドラインや規程に少しも違反せず、誰が見ても正当な手続きに則って執行されていた場合のみに限定されます。
４月１１日の「極秘裁判」もそれに先立つ４月１０日の全授業の突然の閉講措置も、徹頭徹尾「違法行為」であることを、あなたは熟知していらっしゃるはずです。それが仮にも強行できたのは、ガイドラインや規程に対し私が完全に無知であるとあなた方が思い込んでいたからです。
４月１１日の「極秘裁判」がガイドラインや規程に全面的に違反している「違法行為」であることは、あなたがこの「見解」のなかで強迫的に反復する私の「根拠のない不当な主張」でもなければ、「根拠のない一方的な思い込み」でもなければ、「恣意的な解釈」でもありません。
ガイドラインや規程を一つ一つ参照しながら、違反の根拠ないし証拠を挙げることはいくらでも可能です。例えば、４月１０日の「丁重な」呼び出しのメールのなかには、「相手方」に対し事案の内容を知らせる文言は一つもありませんでしたし、４月１１日の「極秘裁判」が「通知」であるなどとは一言も書いてありませんでしたし、何よりも「事情聴取」という言葉はどこにも見当たりませんでした。相談者が「代理人」をたてたことも間違いありません。事案の内容を故意に知らせなかったことにより、私の側から証拠類を出させないようにしたことも明白です。
この「見解」のなかには、「通知における事情聴取」という文言が見られますが、「事情聴取」という言葉はガイドラインや規程のどこにも書いてありません。つまり、あなたは「通知」で呼び出しておいて（それもまったく明示されていませんでしたが）、実際には「事情聴取」を行ったことを６月１４日になって初めて認めたわけです。言い換えれば、４月１１日に行われたことが「極秘裁判」であったことを初めて認めたわけです。
「事情聴取」という言葉が、警察が容疑者を取り調べる際に使う言葉であることを考えるなら、あなたが私を容疑者としてどころか、初めから「犯罪者」として扱っていたことは明白です。そのことを誰よりもよくご存知なのは、１時間５０分にわたって延々と私にパワーハラスメントを行使し続けたあなた自身です。
私の「罪状」は「通知」よりはるか以前に決められていて、「極秘裁判」はその「罪状」と私を一致させるための文字通りの「拷問」、失敗が絶対に許されない「拷問」の儀式だったのですよね。私の人権の完全蹂躙、人格の絶対的否定、意志と思考の自由の全体的剥奪は、その儀式を成功させるためには不可欠の条件だったのですよね。そのために、あなたも相当な無理をして呆れるばかりの暴力を私に差し向けなくてはならなかったのですよね。
ほとんど初対面に等しい人間との「対等な関係」を即座に放棄し、５分もしないうちにその人間を「犯罪者」として同定する文脈を作り始めるのに、さぞかし骨が折れたことでしょう。自分の他者性があれほど尊重されず、あらゆる可能性を破壊され、自分の「歴史」を他人に全的に占有され、思考しながら語る自由を完全に禁止され、精神の活動を妨害され続けたことは、私も初めての経験でしたよ。
そのような次第で、４月１１日の「極秘裁判」が初めから徹底した違法性の上に成立していた、違法性の上に成立させなくては成功しないということを、誰よりもよくわかっていたのはあなた自身です。
そうではない、あれは合法的な「通知における事情聴取」であったと、もしも主張されるのであれば、あの「極秘裁判」の様子がすべて録音されているはずのＩＣレコーダーの音声記録を、いつでもどこでも開示してください。
ちなみにお伝えしておきますが、警察からはこう助言を受けました。「出せ」と言うと捨てる可能性があるので、「出せ」とは言わないほうがよいと。
ですから、あなたがこの度の「見解」を、一見見落としてしまう紛らわしい架空の組織名の元に送りつけてきたことも、これまで私に差し向けてきたあらゆる行為が「違法」であり、したがって「無効」であることを、あなた自身がよく知っているということの紛れもない証拠なのです。言うまでもないことですが、このような存在しない組織名の元に文書を送付してくること自体も、違法行為です。
これまでの「実在した」ハラスメント防止啓発組織（と学部長と事務室）が私に対して行使してきたことのすべてが違法であり、無効であるということを、私たちに対して隠蔽しておくことそのものがついに無効になったことを、あなたは認めざるを得なくなったのです。ハラスメント防止啓発組織がもはやいかなる権威も効力も持たない違法組織であることが、あなた自身にとって明らかであることをついに隠し通すことができなくなったのです。
それでも、私を呼び出すためには、違法性によってすっかり無効になっている４月１１日の事案に依拠し、それを前提とするほかはないので、あなたは紛らわしい架空の組織名を使ってまたもや私を騙し、何とか見せかけの権威と効力を偽装しようと企んだのですね。
私をどうしても呼び出さなくてはならない「本当の理由」は、もはやハラスメントとは何の関係もないのですから。とりわけ『Ｘさんへの手紙』を読んだあなたにとって、つまりあなたたちの「不正」を、もっと言えば「犯罪行為」を私が知っていることを知ったあなたにとって、私はますます大学にいて貰っては困る存在になったのですから。ですから、私をどうしても呼び出さなくてはならない「本当の理由」は、簡単に言えば口封じです。
５月３１日に、突然乱入してきた遠藤と名乗る「自称学生」は、その口封じのためにあなたに雇われている可能性があると思っています。
そのような次第で、私を呼び出す「本当の理由」が変化した以上、呼び出す組織名はハラスメント防止啓発組織には存在しない架空の組織名であっても、一向にかまわないわけです。呼び出す口実が「ハラスメント事案の解決のため」である以上、一見ハラスメント防止啓発組織に属しているかのような紛らわしい架空の組織名を使う必要があったということです。
この「見解」のなかで、あなたは私の（とりわけ）『Ｘさんへの手紙』における推理を「根拠のない不当な主張」だの「根拠のない一方的な思い込み」だのと執拗に繰り返していますが、私の推理の具体的にどこが「根拠がない」のかは全然指摘することができませんね。ひたすら抽象的に「根拠がない」としか言えずにいます。具体的に指摘することができないのは、私の推理が概ね当たっているからです（とりわけ４月以前、２月と３月に私たちが経験したことは、極めてリアルな事実性に基づいていますから、推理以前にほとんど全知覚的に納得することができてしまうようなことばかりです）。
さらに、この「見解」のなかで、あなたは私が名誉毀損だの他者の権利の侵害などを行っていると、またもや実に一方的に非難していますが、先に私の名誉毀損、人権蹂躙、人格否定、当然の権利を行使する自由の剥奪を思い切りやったのはあなたたちのほうです。
以前の＜脅迫状＞のなかでも、私たちがインターネットで名誉毀損をやっていると仰々しく非難していましたが、ではあなたは私が大人しく隠謀の犠牲になり、闇に葬り去られ、忘却の穴のなかに落ちていくままになっていれば、それで満足だったのですか？ 汚名を着せられたまま、社会的に生命を抹殺されるままになっていれば、それで満足だったのですか？ 汚辱に塗れたまま、私が自殺すれば満足だったのですか？
あなたは今でも、こうして延々と＜脅迫状＞を送り続けることで、私の生存権を脅かしています。いつまで、このような違法行為を続けるつもりですか？ 逮捕されるまで続けるつもりですか？
あなたたちにどんなに極道紛いの暴力を行使されても、私が何とか活力を失わず、不当にも剥奪された授業する権利を取り戻し、待っていてくれる大勢の学生たちに私の授業を受ける権利を取り戻す闘いを続けるためには、あなたたちの違法行為、暴力行使の実態を開示するという方法を取る以外にはありません。
あなたたちのほうが、私が授業する当然の権利を侵害し、学生たちが私の授業を受ける当然の権利を侵害し、現代思想というもっとも重要な学問の一つを学生たちに教えられる教育の機会を破壊しているのです。
５月３１日に集合してくれた学生たちは、私が煽動したから来たのではありませんよ。私の授業を受けさせないというあなたたちの暴力行使に対し、批判的であるからこそ、私の授業を受けたいと願っているからこそ、集合してくれたのです。
ハラスメント防止啓発組織の権威と効力は、あなた自身が強く感じているようにもう本当に失墜してしまいました。
あなたたちの「犯罪行為」を隠蔽し続けるために、授業する私の当然の権利が侵害され続け、この度のような架空の組織名の元に脅迫を受けるなどという理不尽な暴力に耐えなくてはならないのは、もうたくさんなのです。
「ハラスメント」という言葉を振りかざせば、どんな暴力行為も違法行為も正当化されるとこれまでは思ってきたのでしょうか。
あなた自身が職権を濫用して他者に差し向けている暴力行為や違法行為は、どのように正当化できると思っているのでしょうか。
私という強烈な他者との不幸な出会いによって、そのパワーハラスメントの無法極まりない行使をいい加減に止めるという気にはなりませんか。
あなたたちの不正が暴露されないためにだけ、私をいつまでも「加害者」扱い、「犯罪者」扱いするのは、もういい加減に止めてください。
その違法性によって最初から効力を喪失している４月１１日の「極秘裁判」の事案で、いつまでも私に脅しをかけながらつきまとうのはもう止めてください。そういうのを、「ストーカー」と言うのではないでしょうか。
あなたたちが私に名誉毀損、人権蹂躙、生存権の脅かしというパワーハラスメントをこれ以上行使し続けるのでしたら、私も最後の手段に打って出るしかなくなってきます。
文科省に、あなたたちが私に差し向けてきた暴力行為と違法行為に関わる全資料を開示します。私に、もはやそうするしかないと思わせたときが最後です。どんな躊躇もなく実行します。
４月１０日の学部長による全授業の突然の強行閉鎖だけでも、授業する当然の権利の侵害、私の授業を受けられる学生たちの当然の権利の侵害という途轍もなく異様な暴力行使ですから、すぐに「問題私大」としてマークされます。
その背後に、「隠謀」という大スキャンダルの存在が立証されたら、マスコミも放ってはおきません。
私の授業が閉講にされ続けなくてはならない理由は、どこにも存在していません。あなたたちの「犯罪行為」が暴露されないため、理由があるとすればそれだけです。
最悪のパワーハラスメントをもう二度と私に行使しないでください。
授業する私の当然の権利をこれ以上妨害しないでください。
違法行為を侵したあなたたちにすべての責任があるにも関わらず、その違法行為の犠牲になり、権利を取り戻すために闘う以外の選択肢を奪われた私に、全責任を転嫁するというさらなる暴力を行使するのは、論理があまりに破綻しすぎていて話にならないのでもう止めてください。
もう二度と＜脅迫状＞を送りつけてこないように、最後にもう一度あなたに厳命します。万一送ってきたら、上記の手段を実行するのみならず、この私的書簡を直ちに「証言置き場」に掲載します。
井上 ×××